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プレッシャーミオグラフシステム

110Pプレッシャーミオグラフシステム
概要
プレッシャーミオグラフシステムは,微小な動脈や静脈,またその他の血管の 生理学的機能や,詳細な特性を調べることができます。本システムではまた, 単離された微小血管を生理条件に近い条件に保った上で,様々な薬物の薬 理効果を評価することもできます。プレッシャーミオグラフを使用すれば,単 離された後も血管はin vivoに近い多くの特徴を示し続けます。
プレッシャーミオグラフでは,無傷で単離した動脈や静脈の一部分を,二つ の微小ガラスキャピラリーへとマウントすることで,血管に生理的に最適な 圧を適用することができます。生理条件に近い圧をかけることにより,血管に 本来備わっている内在性の応答 (筋原性応答) を調べることができます。筋 原性応答はin vivoでの血管全体が持つ自己調節機能と密接に関わっていま す。
この手法を用いることで,様々な薬物が血管に及ぼす影響を,血管外皮・血 管内皮の両側から別々に評価することができます。収縮や弛緩の効果は,デ ジタルビデオのエッジディテクション機能により,標本の径変化として測定す ることができます。内在性の筋原性応答存在下で測定できるので,この現象 に対する内皮の役割や機能を研究することができます。

ラットの腸間膜動脈 (~200μm) を114Pプレッシャーミオグラフにマウントした様子
特殊仕様のプレッシャーミオグラフチャンバーを使用すると,イメージング (コンフォーカル) や電気生理測定を同時に行うことができます。また,圧をか けた状態で長時間組織を培養することが可能な,カルチャーミオグラフシス テムもあります。このシステムでは,ウィルスベクター,siRNAやその他の様々 な経路により引き起こされる,分子レベルの変化を研究できます。本手法で は,組織を生理条件に保った状態で,力学的,分子生理的,薬理学的な研究 を行うことができます。プレッシャーミオグラフは,血管生理学,血管薬理学の 研究において,非常に有用なツールです。
次に記したリストは,プレッシャーミオグラフで行うことができる研究分野の 一部です。将来的には,現在開発中の新技術や,多くのユーザーにより行わ れた研究をもとに,より多くの分野が追加されるでしょう。
特徴
- 微小血管の機能と血管径
- 血管平滑筋の機能
- 血管内皮の機能
- 血管壁の張力と厚さの測定
- 動物または人から単離した血管を測定
- 局所的な血管の反応性評価
- 流速により引き起こされる機能の評価
血管に作用するメカニズム
- 内皮: 内皮より誘発される弛緩要素 (NO),プロスタグランジンや過分極要素 (EDHF) の役割
- 平滑筋: カルシウムやカリウム,またはその他のイオンチャネルの役割
- 血管周囲や内部の神経: 内生的に放出される伝達物質の役割
薬理学と薬物療法
- ACE-阻害剤,スタチン,グリタゾン,インスリンなどの薬物処置による効果の評価
- レセプターの分布や特徴の研究
- 血管作用性アゴニストやアンタゴニストの親和性・有効性の研究
生理学的な変化
- 加齢
- 妊娠や子癇
病理学
- 高血圧
- アテローム性動脈硬化
- 糖尿病
- 虚血性心疾患や心不全
- 腫瘍や脈管形成
- 心臓や肺の疾病
その他の分野
- 電気生理学実験 (フレキシブル電極)
- 細胞内イオンや物質の蛍光測定