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ワイヤーミオグラフシステム
概要
ワイヤーミオグラフシステムでは,微小血管(内径30um~10mm)のホルモンやその他のアゴニストに対する応答性や形態学を明確に調ベることができます。
筒状の切片として単離された微小血管は, 2本のステンレススチールまたはタングステンワイヤをその中に通すことにより,きっちりと固定されます。固定部の片側にはマイクロメータがついており,血管のテンションをコントロールできます。また、もう一方にはフォーストランスデューサがついており、血管にかかる張力を測定できます。チャンパー内には酸素バブルした37℃の生理食塩水を満たすことができ、器官を生理的な条件で保持することができます。そのため,チャンパー内に固定した器官は,数時間にわたって生きた機能を示し続けます。
血管をチャンパーにマウントし、平衡化を行うことで,器官が持つ受動的な長さと張力の闘係性が分かります。この操作をノーマライゼーションと呼びます。
測定はアイソメトリック(等尺性収縮)で行われるので、実際の実験中では血管は常に一定の環境下におく必要があります。チャンパーに直接薬物を入れることができるので、血管の張力変化をリアルタイムで記録できます。さらに、患者の血管とそのコントロールとなるグループの血管を単離し、それぞれの血管に対する薬物の反応性を比較することもできます。
次に記したリストはワイヤーミオグラフシステムで研究が可能な確立された分野です。これ以外の血管や平滑簡に関連した研究分野も、今後の研究において追加されていくでしょう。
ワイヤーミオグラフシステム
基礎組織研究
- 血管平滑筋の機能
- 血管内皮の機能
- 長さ-張力の関係性
- 血管壁張力と形態学的測定
- 薬物の反応性評価
使用可能な組織
- 小動脈、大動脈、静脈、リンパ管
- 肺、気管や気管支の平滑筋
- 泌尿生殖器、海綿体、膀胱
- 腸管、消化管、大腸、回腸
血管作用のメカニズム
- 内皮:内皮より誘発される弛緩要素(EDRF)、プロスタグランジンや内皮由来過分極因子の役割(EDHF)
- 平滑筋:カルシウム、ナトリウム、またはその他のイオンチャネルの役割
- 血管周囲や内部の神経:内生的に放出される伝達物質の役割
薬理学と薬物療法
- 収縮剤や弛緩剤での処置による効果の評価
- レセプターの分布や特徴の研究
- アゴニストやアンタゴニストの親和性・有効性の研究
- 薬物学、効率性や有効性、ドラッグディスカパリーや安全薬理学
生理学的な変化と病理学
- 高血圧,アテローム性動脈硬化
- 糖尿病、加齢
- 虚血性心疾患や心不全
- 腫瘍や血管形成
- 心臓や肺の疾病
- 胃腸や泌尿生殖器の疾病
- 妊娠や子癇
- 運動生理学、変性性脊髄症
- ぜんそくやCOPD(慢性閉塞性肺疾患)
その他の分野
- 電気生理学実験
- 細胞内イオンや物質の蛍光測定
ワイヤーミオグラフシステム関連製品
- 320A シングルワイヤーミオグラフシステム
- 620M マルチミオグラフシステム
- 625FS 自動バッファー充填システム
- CS4/CS8 スティムレータ
- PowerLab システムとLabChart ソフトウェア